反動

二日引きこもっていた反動で、今日は朝から上野に行き、ショッピングをし、古本屋を巡り歩き、四時間近く喫茶店で友達と話しました。朝の八時半から夜の八時半まで出歩いてました。嗚呼散財。
まえまえから騒いでいたミュシャ展に折角行ったので、ちょっとその話を。
まず第一に、色味が画集で見るよりも予想以上に綺麗だったことに感動しました。リトグラフが多かったのですが、パンフレットなんか目じゃないくらいの再現力で、すごく淡くて微妙な濃淡まで出ていて、美しかったです。特に肌色。ミュシャは肌色にブルーを乗せるのが上手いなあと思いました。肌の色に青を乗せると血色が悪くて気持ち悪い感じになってしまうことが多いのですが、(だから影には紫があわせやすい)青を挿す加減がすごく微妙で美しいと思いました。静脈の色がちゃんとあるのに青白い顔ではないというか。そしてこの色使いの妙はやっぱりナマで見てこそだなあと感じました。だって印刷にはでてないんですよ〜。
もう一つ、判りやすさについて。今回朝一で行ったおかげで並ばずに済みましたが、見終わって出てきたときには長蛇の列ができていました。それくらい万人に人気があるというのは、やはりミュシャが判りやすいからだと思います。この、ミュシャの感性を通して絵として表現されるたものを見ると、人間の身体の美しさが良く伝わってきます。デフォルメとデザイン化によって、生身のモデルは万人に美を感じさせる大衆芸術となって紙の上に留められるわけです。人間、特に女性の持つ美しさを、こんなに判りやすくアピールできるというのは、写真や模写にはない絵という表現方法の持つ力であり、ミュシャの才能だと思いました。
最後に、ミュシャの油絵やテンペラ画について。今回の展示のなかで私のお気に入りは『百合の聖母』という大きなテンペラ画です。ミュシャといえばアールヌーボーチックなうねうねしたワクや植物で縁取られたクルクル巻きの髪のおねえちゃん系の絵が有名ですが、油絵やテンペラもグーです。ポスターなど多くの作品で枠線を書いた中に水彩などで色をつけているせいか、あんまり厚塗りじゃない油絵が私好みな感じでした*
興味がある方は是非、27日までなんで、朝ちょっと早起きして上野に行ってみてくださいませ♪